インプラント
インプラントは、失った歯の部位に、人工歯根(インプラント)を顎の骨に埋入し、その上から人工の歯を取り付ける治療法です。ブリッジや部分入れ歯とは異なり、残った自分の歯に負担を求めないので、お口全体の健康を維持しやすいと言えます。
従来型の治療法であるブリッジや入れ歯は、歯肉から上の部分だけを人工の歯で補うものですが、インプラントは、人工歯根を埋め込み、歯根の機能を回復することが出来る点が大きく異なっています。歯根があるからこそ、自分の歯と同じような感覚で噛むことができます。
従来、入れ歯では食べ辛かった硬いお煎餅なども食べられますし、カケラが挟まるなどの嫌な痛みに悩まされることがありません。
また、入れ歯などは取り外して手入れをする必要がありますが、インプラントは自分の歯と同じように歯磨きが出来るので、今までとあまり変わらない生活を維持しやすいと言うことができます。
インプラントは第三の歯
歯の構造は、大きく分けて歯肉から見えている「歯冠」と歯肉下の「歯根」の2つに分かれます。歯根は、歯を顎の骨に固定し歯冠を支えている部分です。歯を失うということは、この2つを失うことでもあります。
歯冠の機能を取り戻すには、入れ歯やブリッジといった治療方法があります。しかし、歯冠と歯根の両方、つまり歯全体の機能を取り戻すことができる治療はインプラントだけであることから「第三の歯」ともいわれているのです。
インプラントの
メリットとデメリット
インプラントの
メリット
- 噛む力が天然の歯と変わらない
- インプラントは、顎の骨と直接結合するため、天然の歯と同様の噛む力を取り戻すことができます。
- 残った歯に負担を求めない
- ブリッジのように前後の歯を削ったり、部分入れ歯のように周囲の歯にバネをかける必要がありません。インプラントは他の歯に負担を求めずに単体で機能します。
- 美しい仕上がり
- 人工歯の材質を選択すれば、高い審美性を取り戻すことが出来ます。また、インプラントが顎の骨に力を加えますから、顎の骨が痩せるのを防ぐ効果もあります。
インプラントの
デメリット
- 治療期間が長い
- 顎の骨に埋入したインプラントが、骨と結合する期間が3ヶ月から6ヶ月になります。その後に人工歯を取り付けますので、トータルで4ヶ月から7ヶ月程度かかります。
- 全ての人に対応できるわけではない
- 糖尿病や心臓病など全身疾患の管理状態によっては、インプラント治療ができないことがあります。インプラント治療を希望される方は主治医とご相談していただく必要があります。
- 健康保険の適用がない
- インプラントは自由診療扱いのため健康保険の適用がありません。使用するインプラントの種類や本数、人工歯の種類によって費用は異なります。
「インプラント」「入れ歯」
「ブリッジ」の比較
インプラント
インプラントの場合、両隣の健康な歯を削る必要がない点がブリッジとの大きな違いのひとつです。
また、入れ歯と比較した場合でも、隣の歯にバネなどを引っ掛ける必要がないことから、残っている健康な歯を長持ちさせることにつながります。噛む力の強さや見た目も、天然の歯と遜色ありません。
ブリッジ
部分入れ歯に比べると安定感が高く、噛む力も回復することから、自分の歯に近い噛み心地が得られます。
ただし、ブリッジを支える両隣の歯を大幅に削る必要がある点が大きなデメリットです。また、咬み合わせたときも両隣の歯に負担がかかるため、さらに歯を失っていく原因になることもあります。
部分入れ歯
ブリッジのように両隣の健康な歯を削る必要はありませんが、バネで両隣の歯に留めて使用するものなので安定感に欠け、硬いものが噛みにくいといったデメリットがあります。
また、異物感が強いことや、審美性に劣ること、食べ物が挟まったり入れ歯が合わなくなると痛いなどのデメリットもあります。
当クリニックの
インプラントシステム
世界には数百のインプラントシステムがありますが、当クリニックでは、プラトン社製の純国産のインプラントシステムを使用しています。
プラトンインプラントは、日本人患者のために日本の臨床医が生み出したシステムであり、非常に精密で信頼性の高い製品と言えます。とくに、日本人は欧米人と比べると体が小さく、顎も小さいため、欧米人向けのインプラントが適合しないことがありました。
プラトンインプラントを採用することにより日本人向けに最適のサイズのもの選択することが可能となります。
インプラントの流れ
- STEP1
- カウンセリング
患者様一人一人に最適な治療法をご提案できるように、なぜ歯を失ってしまったのか、患者様の生活習慣、どのような回復をインプラント治療に求めているかなどを確認させていただきます。
- STEP2
- 精密検査・診断
診断に必要な歯の型・レントゲン写真・CT撮影・現状の歯の写真・その他の診断に必要な資料の検査を行います。
※インプラント治療を成功させるには、口内環境の良さが重要です。この時点で全体の歯周病の状態・周辺の歯の状態も検査し、必要があれば、虫歯や歯周病の治療を終えた後にインプラント治療を行うこともあります。
- STEP3
- 治療計画の説明査
診断に基づき治療計画・流れ・期間・費用・リスク・治療後の保証・メンテナンスなど詳しくご説明いたします。
- STEP4
- インプラント埋入手術
本数によって異なりますが60分程度で終わります。 手術日当日は、ゆったりとお過ごしください。なお、お仕事を休んだり等の日常生活に大きな制限はありません。
- STEP5
- 治癒期間
埋入したインプラントを顎の骨に定着させます。上の顎で4~6ヶ月、下の顎では2~3ヶ月を目安に安定を保ちます。
- STEP6
- アバットメントの装着
埋入したインプラントにアバットメント(接続部品)を装着し、最終的に使用していただく歯の製作過程に入ります。なお、当日は仮歯を装着して帰ることができます。
- STEP7
- 上部構造の装着・終了
最終的な人工歯を装着します。
- STEP8
- 経過観察・メンテナンス
インプラントがしっかりと機能しているか、咬み合わせの状態は問題ないか等のチェックを定期的に行います。