歯と全身の健康を守るフロス習慣

デンタルフロス

毎日の歯磨き、きちんとできていると思っていませんか?実は、歯ブラシだけのケアでは歯と歯の間に残った汚れ(プラーク)の約40%が取りきれないと言われています。その取り残された汚れを効率よく除去できるのが「デンタルフロス」です。

欧米では「フロスオアダイ(Floss or Die=フロスするか、死ぬか)」という強い言葉が使われるほど、フロスはお口の健康に欠かせないケアアイテムとされています。

今回はデンタルフロスの大切さについてご紹介します。

 

デンタルフロスが必要な理由

デンタルフロス

歯ブラシは歯の表面や噛む面の汚れを落とすのには適していますが、歯と歯の間は毛先が入り込みにくく、どうしても磨き残しが出てしまいます。その隙間に残ったプラークは細菌の温床となり、虫歯や歯周病の大きな原因になります。

デンタルフロスは細い繊維の糸が歯の側面に沿って動き、歯と歯の間に入り込んだ汚れを物理的にこすり取ります。これにより、歯ブラシだけの場合よりも多くのプラークを除去できます。

 

「フロスオアダイ」の意味

「フロスオアダイ」は、フロスをしないことで歯周病や全身の健康リスクが高まり、最終的には寿命にも影響を与える可能性がある、という警告を込めたフレーズです。

歯周病が心疾患や糖尿病、誤嚥性肺炎などの全身疾患と深く関係していることが分かっています。つまり、デンタルフロスは単なる口腔ケア用品ではなく、「健康を守るための予防ツール」と言えるのです。

 

正しいフロス習慣のポイント

正しいフロス習慣のポイント

  • 理想は毎回の歯磨き時に使用(難しい場合は1日1回・就寝前に使う)
  • 鏡を見ながら歯と手元を確認しながら使う
  • 歯間にやさしく入れ、側面に沿わせて上下に動かす
  • 抜くときは前後にゆっくり動かしながら
  • やさしい力加減で歯茎を傷つけないように気を付ける

 

慣れるまでは少し面倒に感じるかもしれませんが、毎日の習慣にすれば1〜2分で終わります。フロスには様々な種類がありますので、自分の使いやすいものを選びましょう。

また、間違えた使い方はお口を傷つけてしまったり、汚れが取れていないことも。当クリニックでは、定期検診の際に正しいフロスの使い方やご自身に合った種類のフロスもご案内していますので、お気軽にご相談下さい。

 

まとめ

今回はデンタルフロスの大切さについてご紹介しました。

デンタルフロスは、歯ブラシだけでは届かない隙間の汚れをしっかり落とすための必須アイテムです。「フロスオアダイ」という言葉が示す通り、フロスはお口だけでなく全身の健康にも直結しています。今日から“歯磨き+フロス”で、将来の自分の歯と健康を守りましょう。

 

参考

公益社団法人 日本歯科医師会 歯の学校vol.74

https://www.jda.or.jp/hanogakko/vol74/nazenani.html

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